総務省から今年1月1日現在の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」が発表されました。同統計によると、日本人の人口は2010年より一貫して減少していますが、今回の発表では、調査開始以来初めてすべての都道府県で減少しました。日本人住民と外国人住民を合わせた人口では、東京都のみが前年より増加し、他の道府県では減少しました。
また、人口増減を自然増減数(出生者数-死亡者数)と社会増減数(転入者数等-転出者数等)で分けてみると、自然増加した都道府県はない一方、社会増加した都道府県は24都道府県に上っています。社会増加は、外国人の流入による増加の効果によるものです。外国人住民の人口は、コロナ禍の影響が出始めた2020年以来3年振りの増加となり、2013年の調査開始以降最多の人口となりました。さらに、対前年増加数及び対前年増加率も調査開始以降最大となりました。
企業経営を行う上で、現代は不確実性が高く将来予測が難しいため、経営にも困難が伴う時代とよく言われますが、あらゆる統計に関する将来予測のなかで、人口予測は最も確実な将来予測と評されます。厚生労働省のホームページによると、2070年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は39%の水準になると推計されています。つまり、50年間で約3,000万人減少することになります。現在議論されている少子化対策によって上振れがあるかもしれません(あることを期待したいです)し、移民政策の方向転換が起こる可能性もあります。ただし、大きなトレンドは変わらず、毎年数十万人ずつ人口が減少していく、これはほぼ「確定した」未来の姿です。
マクロで見ると、消費者人口は減少し、就業人口も減少していくことになります。ただし、消費者人口の減少については、全国の全人口をターゲット顧客にしている、という企業は中小企業、スタートアップはもちろん大手企業でもほとんどないはずで、まずはターゲット顧客の動静予測を把握することが重要です。そのうえで、ターゲット顧客を深掘り(関係強化)するのか、ターゲットの拡大を図るのかなど、方向性を決めていくことが必要です。
また、就業人口が減少する中でも必要な人材を確保し続けるためには、柔軟な働き方を選択できたり多様な人材を受け入れる体制の整備など、打てる手があります。さらにはDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、単純な作業/労働については省人化していくような事業体制を模索することも効果的でしょう。
マクロのトレンドに対しては、軽視することも過度に恐れることもなく、自社にとっての影響を冷静に見極め、中長期視点での対応が求められます。人口トレンドへの対応も、そのようなものの1つといえます。